2022.10.30 Sunday
アストゥリアス皇太子について。王の長女という報道はひどすぎる!
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紙などの素材を使った被災地での建築で知られる坂茂(ばん・しげる)さんが「スペインのノーベル平和賞」とも呼ばれるアストゥリアス皇太子賞のConcordia賞を受賞されました。今回の賞金はウクライナでの仮設住宅に使うそうです。
坂さんは2014年に世界の建築賞であるプリツカー賞も受賞されています。
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これに関する日本での報道で気になったのが、2点。まずは「アストゥリアス皇太子賞」の訳です。
アストゥリアス皇太子Príncipe de Asturiasとはスペインの王位継承権を持つ第一王子のことです。スペインは王女でも構わず、王の第一子が王位継承権一位なので、現在はレオノール王女がPrincesa de Asturiasとなりました。
それに伴い、この賞もスペイン語で、Premios Príncipe de Asturias ではなく、Premios Princesa de Asturiasに変更されました。
皇太子ではなく、直訳だと皇太女になるわけですが、そんな日本語は耳慣れません。
どんな表記になってるか皇太子 Wikipediaで見てみました。
(注・Wikipediaは間違いも多いのですので、鵜呑みにしてはいけませんが)
そうすると、注釈で、要人の来日についての報道発表において、スウェーデンの「Kronprinsessan」であるヴィクトリア王女について、「ヴィクトリア・スウェーデン王国皇太子殿下」としている[2]。
とあります。外務省のページのリンクで表記の確認もできました。
もともと日本語では男性名詞・女性名詞の区別はなく、「子」は男女どちらも表す言葉としても使われますから、女性であっても皇太子で大丈夫のようです。つまり、「アストゥリアス皇太子賞」は正しいとなります。
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もう1つ気になったのは「スペイン国王フェリペ6世の長女レオノール王女が賞を授与した」という表現です。
坂さんの受賞を紹介したすべての日本の報道が同じ表現だったので、もとになった報道のせいだと思いますが、「国王の長女」の表記はひどすぎるじゃないでしょうか。自分の名前のついた授賞式で。
これはアストゥリアス皇太子がスペインの王位継承権一位を指すことも、それが現在誰なのかも分かっていないように見えます。
以前はフェリペが皇太子だったので、アストゥリアス皇太子と呼ばれていました。まさかと思いますが、彼が一生涯アストゥリアス皇太子だと勘違いしていないかとさえ思いました。報道機関は過去に何度もフェリペがアストゥリアス皇太子、という表現をしたはずですから。(国王になる前)
アストゥリアス皇太子であるレオノール王女が賞を授与した
スペインの皇太子であるレオノール王女が賞を授与した
こんな表現でも良かろうと思います。
どなたか報道関係者の役にたつかと思い、記事にしてみました。