スペイン国王フアン・カルロス1世が退位を表明

スペイン国王フアン・カルロス1世(76)は2日、テレビ演説で退位すると表明した。


 国王は独裁体制を敷いたフランコ総統の死に伴って1975年に即位し、民主化に貢献したが、近年は体調不良が続き、王族の汚職疑惑など王室のスキャンダルも相次いでいた。

 新国王には、長男のフェリペ皇太子(46)が即位する。フアン・カルロス国王は演説で即位式の日程は示さなかったが、ラホイ首相は「3日に閣議を招集し、手続きを決める」と発表した。欧州では昨年、オランダとベルギーで70歳代の国王が相次いで退位しており、スペインの新国王即位により世代交代が加速することになった。

 フアン・カルロス国王はスペイン内戦中の38年、亡命先のローマで生まれた。内戦後、実権を握ったフランコ総統により後継者に指名され、総統の死後、王制復古に伴い即位した。即位後は立憲君主制への転換を進めた。

(2014年06月02日 読売新聞より)
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