カタルーニャ問題 選挙結果 、選挙展望

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カタルーニャ問題。Facebookに出した記事を時々、まとめて記事にしています。


選挙結果の続き (12月27日)


カタルーニャ議会の選挙結果の続きです。
一番票を獲得したCiutadans党は反独立派の議席が過半数を超えてないため、すぐ翌日には政権を取ることを今のところ諦め、様子を見ると発表。

同じく反独立派のPP党やPSC党は思ったより票が取れなかったことから、選挙直後からCiutadans党に矛先を向けています。現在も交渉の様子を見せてないと批判。(しかし独立派がCiutadansと提携するとは思えないですが、、)

敗北のPP党のラホイ首相への責任を問う声も出始めています。カタルーニャPP党首は辞任を申し出ましたが、ラホイ首相は受け取らず。

マドリッド側や反独立派は、もっと票が取れると思っていたようで、根強いカタルーニャの独立意思の一部を分かっていないと感じます。

独立派の党も、プチデモン氏がどうなるかが不明のため、話がまとまっておらず、政治的には大きな発表はまだ、ありません。

一方、選挙結果からバルセロナ県とタラゴナ県の一部では反独立が勝ったのだから、カタルーニャから独立をしてスペインに残り、Tabarnia州(タラゴナ+バルセロナ+カタロニアを混ぜた造語)を作る案が市民の間で(半分ジョークで)現れ、ネット上で大騒ぎ。独立派が大多数を占めていないことの証明としてカタルーニャ議会でも取り上げられました。

「Tabarnia州は人口が600万人を超え、カタルーニャ国は140万人に満たない」「独立投票日は来年10月1日だ」「サッカーリーグはどうなるか? バルサもTabarniaに入っちゃうよ」「州の旗はバルセロナ旗とタラゴナ旗の混合?」とTシャツまで登場。最後の最後に、今年の流行語に選ばれそうな勢いです。(半分ジョークですが、実はカタルーニャの現実を表しているとシリアスな受けとめ方もあり)

新聞記事はこちらをどうぞ。


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選挙結果 (12月24日)

党としては女性議員アリマダス氏が擁するCiutadans党が勝利しました。力強い演説が人気の美人女性議員で、人々が「新しい時代」を望んでいる現れかもしれません。11議席も増加し、躍進しました。

ただし議員数は独立派が勝利。135議席のうち、独立派が70席獲得。68席が過半数でした。つまりアリマダス氏の党は政権を握れないとされます。

独立派の中ではプチデモン氏のJunts per Catalunya党が現与党のERCを抜き、2番目に議席を獲得しました。ただし「選挙に勝ったらカタルーニャに戻る作戦」は望めないかもしれません。

実は、投票数では独立反対派の方が勝っていて、過半数の52%です。ただし地方ごとに議員数が決まる選挙なので、人口が少ない田舎で独立派が票を集めたために、独立派が議員数としては再び過半数を占めました。(2015年も同じ状況でした)

独立派全体では2015年より2議席減らしました。感情的になってる人が多く、スペイン政府の対応でいっきに独立へ動いたとされていましたが、やはり独立派の動きをよくないと思ってる人もいるのでしょう。それでも根強く独立派が勝ったことは、スペイン政府側の対応が原因であるという見方も多いです。

過激独立派のCUPは議席数を減らしましたが、4議席獲得。テレビではそれでもCUPが重要なカギになっていると解説してました。CUPの4席がなければ、独立派の総議席は過半数に達しません。たった4議席ですが、重要です。地図を見ると、田舎でCUPが第一党の地区が複数あります。CUPは独立派の政党へ圧力を加えていくので、独立の動きは続くと予想されています。

テレビを見ると、独立派も、第一党になったCiutatans党も「自分たちが勝った」と喜んでいます。わざとではなく、本当に嬉しそうです。会場に来てる人達もそう。しかし市民はどちらも「負けた」と感じてる発言が多いです。本音は大っぴらに喜べない微妙な結果になったとも言え、まさに真っ二つのカタルーニャを表しているような結果でした。

(12月21日)
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選挙前



明日は平日ですが選挙日です。独立するかどうかの投票ではないのですが、実質そう捉えられ、投票率は8割超えと予想されています。

投票権はカタルーニャに以前から住んでいるスペイン人や、スペイン各地や外国に住むカタルーニャ人も含まれます。
直前のアンケートでも半々で、どちらに動くのか本当にわかりません。ただ、投票総数で決まるわけではなく、田舎が比重が増す選挙区制です。その意味では田舎の方が独立派が多いので、独立派が若干有利とされます。


選挙の動きに興味ある方への続きです。最後の世論調査によると、独立派は一番政党のERC党と、これを超えるかの勢いでプチデモン氏を擁するJxCat党の勢いが増しています。政党としてはERC党だが、州知事としては亡命中のプチデモン氏を望む声が多いためです。

最も強硬な独立派Cup党はトップ政党とはほど遠い位置にいますが、独立反対派がよく「Cupが与党になったらどうするよ・・」と心配顔で語ります。どちらにしろ独立派3党は揺るぎない支持者がいて、票はよく取れるとされます。

独立反対派は人気のカリスマ女性議員アリマダス氏が率いるCiutatans党が台風の目とされますが、独立派を超えるほど票が取れるかは不明です。

PSC党の温厚な顔つきのイセタ氏は人柄が人気で、急上昇中。反対派の票もこの2党に分散するかもしれません。

中立派でバルセロナ女性市長が属するCec党は若者支持者を中心に期待されていましたが、党内で迷走が続き、支持率は落ちました。外から見ると「どっちもどっち」の気持ちがあるので中立派は多くの人の気持ちを代表してるように思いますが、政治不安のせいか、どっちかに決めない態度は不満に思う声が多いです。

ラホイ首相が属するスペイン政府与党で、カタルーニャでは勝つのは不可能とされるPP党は予想通り急降下です。しかし党としては絶対にありえないが、カタルーニャ党首のアルビオル氏は常に通りに出て人々と話し、態度が一貫しているところは政治家として評価していると言うカタルーニャ人の声を聞いたのは意外でした。

その他、自分が望む党ではないが、今回はここに投票すると言ってる人もいます。もう以前から独立したい政党がない、消去法で選んでいるだけと言ってる人も多いです。(それは日本でも聞きますね)

選挙結果どうなるか見守りたいと思います。

(12月20日)

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